独禁法のJA指針 5
別紙1
農業協同組合の活動に関する独占禁止法上の指針
第2部 農業協同組合に係る不公正な取引方法について

第2 単位農協による組合員に対する問題行為
購買事業に関する問題行為
単位農協は,購買事業において,農薬,肥料,飼料,農業機械等の様々な種類の生産資材を取り扱っているが,すべての生産資材について商系事業者等との間で競争関係にある。このような状況の中で,単位農協が,サービスの向上,例えば,品ぞろえの充実,割安な商品等の提供や,購買事業に関する情報提供,その利用の呼びかけ等を通じて,組合員による購買事業の利用促進を図ることは,独占禁止法上問題となるものではない(注4)。しかしながら,例えば,以下のような行為は,独占禁止法上問題となる。
 (注4)農業協同組合法第19条は,〜塙腓蓮つ蟯召猟蠅瓩襪箸海蹐砲茲蝓ぃ映を超えない期間を限り,組合員が当該組合の施設の一部を専ら利用すべき旨の契約を組合員と締結することができる,△海侶戚鵑猟結は,組合員の任意とし,組合は,その締結を拒んだことを理由として,その組合員が施設を利用することを拒んではならないと規定しているが,組合員の任意によらない等,同条の規定に反し,この契約を締結する場合には,独占禁止法上問題となるおそれがある。

(1)購買事業の利用に当たって単位農協の競争事業者との取引を制限する行為
単位農協が,農畜産物の生産に必要な生産資材の一部について購買事業を通じて購入しようとしている組合員に対して,他の生産資材も併せて購買事業を通じて購入することを強制する等何らかの方法により(注5),購買事業を利用せずに購入したいと当該組合員が考えている生産資材を含めて購買事業の利用を事実上余儀なくさせる場合には,組合員の自由かつ自主的な取引が阻害されるとともに,競争事業者が組合員と取引をする機会が減少することとなる。例えば,以下のような行為は,不公正な取引方法に該当し違法となるおそれがある。(一般指定第10項(抱き合わせ販売等),第11項(排他条件付取引)又は第13項(拘束条件付取引))
 (注5)組合員に対し不利益を課す場合のほか, 競争事業者との取引を制限することとなる系統利用率に応じた奨励金(占有率リベート)等を供与する場合も含まれる。以下同じ。なお,系統利用率に応じた奨励金(占有率リベート)等の考え方については,流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針 第2部第三 参照。

単位農協が組合員に対して,組合員が購買事業を利用する際に,全量又は一定の割合・数量以上について購買事業の利用を条件とする行為
単位農協が組合員に対して,組合員が購買事業を利用する際に,購買事業を利用せずに購入したいとその組合員が考えている品目についても購買事業の利用を条件とする行為
(具体的事例)
ア 単位農協が,その管内に他の競争事業者がいない種子を単位農協から購入しようとしている組合員に対し,単位農協から肥料を併せて購入しない場合には,当該組合員にその種子を販売しないこと

(2)共同利用施設の利用に当たって購買事業の利用を強制する行為
育苗センター,ライスセンター,カントリーエレベーター等の共同利用施設は,農畜産物の生産・出荷を行う上で極めて必要性が高いものであるが,設備費・施設維持費が極めて高いことから,これらの代替施設を保有することが難しい組合員にとって,このような共同利用施設の利用を制限又は禁止されると,組合員が農業活動を行う上で重大な支障が生じることになる。
このように,単位農協が組合員に対して,共同利用施設を組合員が利用する際に,自己の購買事業の利用を強制する等何らかの方法により,当該組合員が農畜産物の生産に必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数量以上について購買事業を利用することを事実上余儀なくさせる場合には,組合員の自由かつ自主的な取引が阻害されるとともに, 競争事業者が組合員と取引をする機会が減少することとなる。
例えば,以下のような行為は,不公正な取引方法に該当し違法となるおそれがある(注6)。(一般指定第10項(抱き合わせ販売等),第11項(排他条件付取引)又は第13項(拘束条件付取引))
 (注6)施設の能力の制約から,何らかの利用制限を行わざるを得ない場合に,組合員による自由・平等な利用を最大限確保しつつ,受入れ品種や受入れ時期等についての合理的な計画を事前に定め,組合員の利用日程の調整を行うことは,原則として独占禁止法上問題となるものではない。

単位農協が組合員に対して,組合員が共同利用施設を利用する際に,その組合員が農畜産物の生産に必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数量以上について購買事業を利用することを条件とする行為
(具体的事例)
単位農協が自ら事業主体として行っているビニールハウスのリース事業に
ついて,組合員がリース事業を利用するに当たっては,使用する肥料,農薬その他の生産資材を単位農協から購入することを義務付けること
単位農協が,米の生産及び出荷に係る共同利用施設である育苗センター,ライスセンター及びカントリーエレベーターの3施設について,組合員が当該単
位農協から生産資材を購入しない場合には各施設の利用を断ることがある旨
を3施設それぞれの利用案内文書に記載して,組合員に対して周知することにより,当該組合員に単位農協から生産資材を購入させること
肉用牛生産業を営む組合員に対する土地,牛舎等の生産設備の賃貸借等の契約において,当該組合員が単位農協以外の者を通じて飼料等の生産資材を購入した場合には無条件で当該賃貸借等の契約を解除できるとする条件を付けて,当該組合員に単位農協から生産資材を購入させること

(3)信用事業の利用に当たって購買事業の利用を強制する行為
単位農協は,組合員の営農及び生活に必要な資金の融資をする信用事業を行っているが,一般に,組合員は,営農に必要な資金の融資を受ける上で,単位農協に対する依存度が高い。
このため,単位農協が組合員に対して,信用事業を組合員が利用する(注7)際に,自己の購買事業の利用を強制する等何らかの方法により,当該組合員が農畜産物の生産に必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数量以上について購買事業を利用することを事実上余儀なくさせる場合には,組合員の自由かつ自主的な取引が阻害されるとともに, 競争事業者が組合員と取引をする機会が減少することとなる。例えば,以下のような行為は,不公正な取引方法に該当し違法となるおそれがある。(一般指定第10項(抱き合わせ販売等),第11項(排他条件付取引)又は第13項(拘束条件付取引))。
 (注7)生産資材の購入に係る代金支払の繰延べの許容により信用を供与される場合を含む。
単位農協が組合員に対して,組合員が信用事業を利用する際に,その組合員が農畜産物の生産に必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数量以上について購買事業を利用することを条件とする行為
(具体的事例)
組合員が生産資材等を購入するための短期貸付金について,当該単位農協から飼料等の生産資材を購入する場合に限り,当該組合員に当該短期貸付金の融資を行うこと
単位農協が組合員に対し, ー己から農業機械を購入することを条件に融資を行うこと,⇒算颪両魴錣箸靴董 商系事業者から農業機械を購入した場合には組合員又は商系事業者から手数料を徴収することを認めさせること

(4)販売事業の利用に当たって購買事業の利用を強制する行為
単位農協が販売事業で取り扱っている農畜産物には,米,野菜,畜産物等の様々な種類があり,農畜産物の出荷の大半を単位農協による販売事業に依存している組合員にとっては,単位農協から販売事業の利用を拒否又は制限された場合には,農業活動を行う上で重大な支障を来すこととなる。
このため,単位農協が組合員に対して,販売事業を組合員が利用する際に,自己の購買事業の利用を強制する等何らかの方法により,当該組合員が農畜産物の生産に必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数量以上について購買事業を利用することを事実上余儀なくさせる場合には,組合員の自由かつ自主的な取引が阻害されるとともに, 競争事業者が組合員と取引をする機会が減少することとなる。例えば,以下のような行為は,不公正な取引方法に該当し違法となるおそれがある。(一般指定第10項(抱き合わせ販売等),第11項(排他条件付取引)又は第13項(拘束条件付取引))
単位農協が組合員に対して,組合員が販売事業を利用する際に,その組合員が農畜産物の生産に必要とする生産資材の全量又は一定の割合・数量以上について購買事業を利用することを条件とする行為
(具体的事例)
単位農協が減農薬栽培米の条件として指定した農薬と同じ品質・規格の農薬を商系事業者から入手することが可能であるにもかかわらず,単位農協から当該農薬を購入して栽培を行わないと減農薬栽培米として扱わないとすることにより,各組合員に単位農協から当該農薬を購入させること
単位農協が減農薬栽培米の生産に必要な農薬を指定する際に,実際に使用した農薬に応じて点数を加算し,点数が規定の数値以下で生産されたものに限り減農薬栽培米として出荷を認める場合において,単位農協が扱っている農薬と同じ品質・規格の農薬を商系事業者から購入した場合の点数を著しく高くすることにより,各組合員に単位農協から農薬を購入させること
同じ品質・規格の肥料や農薬を商系事業者から入手することが可能であるにもかかわらず,単位農協から購入した肥料や農薬を使用することを米の出荷の条件とすることにより, 各組合員に単位農協から肥料や農薬を購入させることなお,近年,農畜産物に対する安全・安心志向が強まる中で,例えば,栽培において,どの農薬,肥料をどの程度使用したかという生産履歴を組合員が記帳し,これを単位農協がチェックすることにより,農畜産物の安全性を担保することが広く行われている(生産履歴記帳運動)。また,組合員による生産履歴の記帳は,単位農協の農畜産物の生産方法を統一すること(使用する農薬や肥料その他の生産資材を同じ品質・規格とすること等)により,農畜産物の品質を揃え,ブランド農畜産物
として出荷する上でも重要な役割を果たしている。
生産履歴記帳運動は,安全・安心な農畜産物を生産する観点から,生産者等が使用する生産資材の管理を徹底するものであり,こうした取組自体が独占禁止法上問題となるものではない(注8)。しかしながら,例えば,使用する生産資材が一般的なものであって,同じ品質・規格のものを商系事業者から購入することが可能であるにもかかわらず,単位農協から購入するものに限定するなど,組合員に対して競合する商系事業者の販売する生産資材の使用を制限又は禁止する場合には,組合員の自由かつ自主的な取引が阻害されるとともに,競争事業者が組合員と取引をする機会が減少することとなり,独占禁止法上問題となるおそれがある。(一般指定第11項(排他条件付取引)又は第13項(拘束条件付取引))
 (注8)一般的に,農畜産物の品質を揃え,ブランド農畜産物として出荷するために,品質の均一化等に関し合理的な理由が認められる必要最小限の範囲内で,単位農協の農畜産物の生産方法を統一すること(使用する農薬や肥料その他の生産資材を同じ品質・規格とすること等)は,それ自体は独占禁止法上問題となるものではない。

兼定興産のホームページ
http://urban-green.jp/
も覗いて下さい。 「屋上緑化」が満載です。
| けんおじ | ビバ! 百姓 と 屋上緑化 | 16:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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