ミーシャンのよんでみ亭 東海道五十三次めぐり(26)
鞠子から 岡部へ 2里

みなさん、暑い日が続きますがお元気ですか?
はやいもので今年ももう半分終わっちゃいましたね。今年の梅雨は雨が少なくて、またぞろ渇水の噂が聞こえてまいります。

    道の辺に清水ながるる柳蔭
     しばしとてこそ立ちどまりつれ (西行法師)

・・という歌を見るだけでちょっと涼しくなりますね。
ところで、小林の一茶の句。

      昼からはちと陰もあり雲の峰

なんてこともない句ですが・・・。
はい。この17字の中に七つの虫(小動物)が隠されています。当ててね!
(六つはすぐ判ると思いますが、あとひとつは辞書で調べてみて)

では時季的にこんな俳句はいかがでしょう。
 
      行水の女にほれる烏かな (高浜虚子)

白い体と濡れ羽色したカラスとの妖しい取り合わせ。カラスでなくとも惚れます。
虚子の句ではこっちの方が有名かしら。
     
      浴衣着て少女の乳房高からず

初々しい色香がよかです。やはり巨匠の句はすばらしい。

次のはじっとり暑くて怒られそう・・ですが、若い頃を思い出してね。

      いっぴきの女と眠る梅雨の夜 (日野草城)

  もう一句。
      女重たき六月の湿度計 (堀井春一郎)
 
段々アヤシイ雰囲気になって来たところで、東海道へ戻りましょう。

  【岡部】〜宇津之山〜
岡部1

鞠子宿から岡部宿へ抜けるにはご覧のような難所宇津之谷(うつのや)峠を通らねばなりませんでした。ここは由井の薩埵(さった)峠と並んで街道でも一二を争うきつい勾配でした。
下図は行書版から。宇津之谷の立場(たてば=休息所)茶屋の風景。
ここの名物は十団子(とをだんご)であります。
本家『膝栗毛』ではこの茶屋の近く激しい雨の中、弥次はこの坂道で足を滑らせます。
      降りしきる雨やあられの十だんご
             ころげて腰をうつの山みち

岡部2

十団子とは、小指の先ほどの団子を麻糸に十ヶ通して数珠状にしたもので五連を一掛けとしたそうですが、茶屋の天井から提げた俵には竹に串刺しにした団子を幾本も刺してありますね。
ただ小さな団子ですから、出来立てを柔らかいうちに食べないとすぐカチカチに固くなりますので、図のようにまるで乾し魚みたいに風に晒したものを旅客はホントに食べたのでしょうかねえ。謎であります。旅の安全を祈るお守りにしたという説もありますけど。

で前回少し申し上げました件ですが、『旅枕五十三次』によれば、十団子を「りんの玉の代用に開に入れて使用してみたが、硬いものはこつこつし、軟らかいのは溶けて、甚だ具合悪し。用いるべからず」とあります。・・・なんのことやら。
そこで、“りんの玉”ってソモなんなの?っということで調べてみました。だってどんなんか全然解らないですよねェ〜。
でもフツー辞典なんかにゃ載ってないですよねエエ〜。そんなアヤシ〜もん。

が、ありました。北斎の絵が!

岡部31

 “べんかりんぎょく”と読みますか。要するに、ベンカのりんの玉。
卞和は中国戦国時代の人で『和氏(かし)の璧=連城の璧(たま)』の発見者。と書くとご存知の方も多いと思います。両足切り取られたかわいそうな人ですが、詳しく述べると長くなるから止めます。わざわざこんな所にベンカをもってくるほど、ともかくも江戸時代には衒学趣味の人が多かったんですね。とくに北斎は号を『画狂人』というぐらいだったし。
がしかし、これじゃなんのことやら一向に埒が明きませんね。ちなみに、同じ紙面には次のようなものも描かれておりました。“さおとめはりかた”と読むべきか。

岡部3

まァ、これもなんのものやら皆目見当がつきませんが―。
ちなみに明治に入り、それまで〈四つ目屋〉などで大っぴらに売られておりましたこういった性具も(アレ?)、西洋人の手前風紀上よろしくないということで官憲の圧力により徐々に衆目の元から消えていったのでありました。

ところで『膝栗毛』で峠を下った二人連れ。大井川の川止めにあいこの岡部宿に草鞋を脱ぐことになります。
      豆腐なるおかべの宿につきてけり
            あしに出来たる豆をつぶして

ここに“おかべ”とありますが、おかべ=御壁からきた女房言葉で豆腐のことです。
 
『膝栗毛』では、ここで川止めが終わるまで旅の疲れを休めることにして、次回は計20宿飛ばし伊勢は桑名からの道中記の再開まで、弥次さん喜多さんともしばしのお別れと相成ります。

それでは、こちらを。

岡部5

   *おかべにかすがへいふてもきかぬ
      ことと知りつつまた口(く)どく*

   「このへん宿女(よね)たちさせることを好ミ
    また陰門のあじよきことむるひ(無類)なり
    是(これ)風土による物と見えたり
    いろごのミの旅人
    五百の勤(つとめ)をおしむことなかれ」

   詞書/だれかくるとわるいから
      よしなヨウ
      エエモウ
      いやだのう
      こんなところへひとをねかして
   
     /うちへかへるとできないから
      ちよつとここで
      ァァいつ見てもわるくない 
      OOOOOOだ
      ありがたい〜

読者のみなさまへ。
ご心配なく。こちら『膝寿里日記』はきっちり次宿藤枝もその次もございます。によってこれからも変わらず、200年前の男女の会話や旅の風情をお楽しみください。
それじゃあ、また次回で。
                           亭主敬白

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も覗いて下さい。 「屋上緑化」が満載です。

| けんおじ | よんでみ亭 | 14:44 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |









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