ミーシャンのよんでみ亭 東海道五十三次めぐり(62)  
土山から 水口へ 2里半11丁
      〜六道めぐり その7〜


1月もはや半ば過ぎて暖冬とはいえ朝晩寒い日が続きますが、みなさんには如何お過ごしでしょうか?正月気分も漸く抜けて各位ご活躍のことと存じ上げます。 (※けんおじ注:ミーシャン2007-01-16の脱稿です。)

さて前回ご紹介した『膝寿里日記』巻末道中案内〜坂下〜の現代語訳をBBSに少し書きましたが、入りきれませんでしたのでここで補足致します。

 「・・・二本松の下に蟹塚あり。むかしこのカニ美人に化け沢山の男を誑しこんでは男根(へのこ)をはさみ切って喰っていたが、たまたま恵心僧都を誘惑したところもったいなくも金剛石のような絶倫男根(まら)にたちまちハサミは打ち砕かれそのまま死んで怪異は止んだという。・・・」

ここに恵心僧都とあるのは、“地獄物語”とも呼ばれるかの『往生要集』(1部3巻10章)を著した源信和尚であります。
源信(942年〜1017年)、平安時代中期の天台僧。日本浄土教の祖とも仰がれておりますが、ここで少し仏教についてのお話をひとくさり。

 538年(552年の説もあり)、仏教伝来。
ときの二大勢力である、仏教受け入れを推進する渡来系の蘇我氏と国つ神を信奉し廃仏派の物部氏が、天皇の皇位継承問題をきっかけに争い587年物部氏滅亡。
蘇我氏系の聖徳太子は推古天皇の摂政となり蘇我馬子とともに政治を主導。
太子は17条の憲法を制定したほか『三経義疏』(さんぎょうぎしょ―勝鬘経・維摩経・法華経の注釈書)を著す。
622年聖徳太子没。のち太子一族々滅せらる。
645年蘇我氏、中大兄皇子と中臣(藤原)鎌足に攻められ滅亡。同年、大化の改新。

ところで教科書から聖徳太子の名が消えるそうですが、皆さんご存知でしたか?
現在使われている教科書も表記は“厩戸王(聖徳太子)”となっており、新教科書では( )内がなくなるそうであります。単に厩戸王だけですって。
なんと、聖徳太子はいなかった!という有力説まであるそうな。だったらあの1万円札ってなんだったの? 和を以って貴しとする、篤く三宝を敬えといった17条の憲法は?
げに、刻々と歴史も変わっていってるんですね〜。

それはともかくそれ以降官営の寺院が幾つも建立されましたが、平安時代に入りチョ〜画期的なことが804年に起こります。天台宗伝来であります。
チョ〜といいますのも「天台・真言は国家鎮護目的の貴族仏教であった」くらいしか歴史認識のなかった私がこの度地獄に堕ちるに当たり、積年の飲酒のため酒精で縮こまった脳味噌を振り絞って地獄についての前知識を調べておりましたところ、なんと浄土宗、浄土真宗、禅宗、日蓮宗の各宗派はこの天台宗から生まれていたということを初めて知り、まさに驚天動地、最澄の偉業は前述の仏教伝来にも匹敵する歴史的快挙である――と感動したからでありますが・・・・みなさんすでにご存知でしたのね。でも大袈裟な私にもうちょっと付き合ってね。

さて6世紀の中国に天台智(ちぎ)が出てそれまでの雑多な緒仏教をはじめて統合体系化しました。
彼の思想的な功績として“教相判釈”と“止観”があげられます。
“教相判釈”とは釈迦の経典の時代判定と価値判断であります。彼は中国に存するあらゆる経典を「華厳・阿含・方等・般若・法華」の5グループに分類し、それをそのまま釈迦の一生にあてはめました。
すなわち、はじめ釈迦は自分の教えを語りましたが難しすぎて人々はよく分からなかったので(華厳部)、分かりやすい小乗の教えを方法として説き(阿含部)、徐々にその教えを否定して(方等部)、次にすべてに通ずる教えを説き(般若部)、最後の40日間に心に秘していた真実の教えを明らかにした(法華部)という解釈であります。
また化儀4教、化法4教という分類法からも法華経は頓教(釈迦にじかに聞いた教え)であり円教(統括的教え)であり、最高の価値を持った経典であると断定したのであります。(以上、五時八教といいますげな)
したがって天台においては法華経こそが真の正しい教え(実教)であり、他の経典は仮の教え(権教・・方便ですね)であったのであります。
ちなみにみなさんもご承知のようにずっと後年日本では比叡山にも学んだ日蓮が、この五時八教理論を根拠にこの法華経のみが唯一無二の真の経典だとして日蓮宗を立て、他の経典は邪教異端であると排斥しております。
つぎに“止観”であります。つまり内なる心をみる方法であります。その見方を説いた講義録が“摩訶止観(まかしかん)”であります。
智擇砲茲譴仗瓦里りなす世界は十に分けられます。いわく「地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天、声聞(しょうもん)、縁覚(えんがく)、菩薩、仏」の十界でありますが、それぞれの一界にまた十の世界がありますそうな。(つまり人間界のなかにも地獄や菩薩界があるように)あわせて百の世界があるわけですが、またそれぞれが十の様相を持つので1千世界となります。これは衆生界のはなしで、別に五陰と国土の各1千世界を合わせれば、世界は3千の世界で出来ているというんですって。

 三千世界のカラスを殺し 主と朝寝がしてみたい (伝 高杉晋作)

 〈この都々逸を登場させるためにここまで引っぱりました・・筆者〉

今一瞬の心の中に3千の世界が存在するわけです。その一つ一つを深く内観すれば世界の秘密がわかると。
で、わかって、ど〜なのよ?って聞かないでね。

あちゃ〜長くなりましたので、肝心の恵心僧都のことはまた次回にお送りします。
       
(参照;梅原猛「地獄の思想」昭和42年中公新書版/田村芳朗・梅原猛「絶対の真理〈天台〉」平成8年角川文庫版)

では東海道であります。
【水口】〜名物干瓢(かんぴょう)〜
水口1
 
干瓢は夕顔の果肉を干したものだそうな。初めて知りました。巻き寿司でしかお目にかからないモンね。
水口2
   
  * いろの恋のと みなくちぐちに
        いふハやくのか そねむのか *
   
 「小野の小町此宿を通りしに
  所のものども是をとらへ
  廻りをとらんと志〇〇〇
  推しころばしてはめんとするに
  穴あらざれバ皆みな口をすひたりしと
  されバ水口にハあらず皆口なり
  といふ説あり」

  書き入れ/およしといふに
       あれさなんだかきがせくからよウ

      /ところをゆつたりおちついて
       おもいれすかすか
       やるつもりだ

今回は絵も地味、かつ時間不足のため読めない字が多数ありまことに申し訳ありません。
次回にご期待ください、ネ!
                       亭主敬白

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| けんおじ | よんでみ亭 | 23:18 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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